お気楽CINEMA&BOOK天国♪

お気楽CINEMA&BOOK天国♪

金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

【2017年に出会った凄い映画】10作品紹介

【2017年に出会った凄い映画10作品】 前回に引き続き、今回は、今年最も感銘を受けた映画10作品をランキング形式で紹介したいと思います(なんか古い映画ばっかりで恐縮です)。 ちなみに、次点は、『ミフネ/1999デンマーク』か『つながれたヒバリ/1969チ…

【2017年に出会った凄い本】10作品紹介

【2017年に出会った凄い本10作品】 今年もいよいよ残りわずかとなりました。 そこで、今回は、この1年間の読書体験の総決算として、今年最も感銘を受けた本を10作品セレクトし、ランキング形式で紹介したいと思います。 ちなみに、次点は、『最後の医者は桜…

🔵映画「世界にひとつの金メダル」感想*人馬一体の成長物語*(2013フランス・カナダ)レビュー3.9点

世界にひとつの金メダル [DVD] 【人馬一体の成長物語】 いい映画なんですが、邦題がひどい。テキトー感、ありまくりです。原題は“ジャップルー”、馬の名前です。こちらの方が誰が主役かが分かって、ずっとよろしいかと。 ……という訳で、この作品は、ソウルオ…

🔴本「神様ゲーム」感想*神様というより死神!?*麻耶雄嵩(講談社文庫)レビュー3.7点

神様ゲーム (講談社文庫) 【神様というより死神!?】 見た目は児童書風の体裁ですが、結構ショッキングな内容なので、お子様にはとてもオススメできないミステリーです。 しかし、神様を名乗るクラスメイトの鈴木君の不気味な存在感が光っていて、一気に読…

🔵映画「レッド・バイオリン」感想*格調高いサスペンス映画*(1998)レビュー4.0点

レッド・バイオリン [DVD] 【伝説のバイオリンが辿る数奇な運命】 若い頃、ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲『調和の霊感』に魅了され、以来、クラシック(特に管弦楽)のファンになりました。……ファンといっても、まあ、作業や考え事の邪魔にならないから…

🔴本「ハガキ職人タカギ!」感想*新しい趣向の古典的青春小説*風カオル(小学館文庫)レビュー3.7点

ハガキ職人タカギ! (小学館文庫) 【新しい趣向の古典的青春小説】 なるほど、『ハガキ職人』って、ラジオの深夜放送番組の投稿オタクのことだったんですね(「オタク」ってコトバはあまり好きじゃないんですが、他に適当な言い方が思い浮かばないので)。そ…

🔵映画「幸せなひとりぼっち」感想*偏屈オッサンの幸せな老後*(2015スウェーデン)レビュー4.1点

幸せなひとりぼっち [Blu-ray] 【偏屈オッサンの幸せな老後】 この作品は、妻に先立たれ、仕事をクビになった孤独で偏屈な初老の男、オーヴェが、隣人たちとの交流を通して次第に心を開いていく様を描いたハートウォーミングドラマです。 『シンプル・シモン…

🔴本「よろこびの歌」感想*本屋大賞作家の心洗われる一作*宮下奈都(実業之日本社)レビュー4.5点

よろこびの歌 (実業之日本社文庫) 【本屋大賞作家の心洗われる一作】 不覚!……女子高生が主役の青春小説にこれほどうるうる来るとは思ってもみませんでした。何が泣けるって、みんないい子だから。 この作品は、「合唱」をテーマにした全7話の連作集で、6…

🔵映画「ガッジョ・ディーロ」感想*興味が尽きぬロマの伝統と文化*(1997フランス・ルーマニア)レビュー4.0点

ガッジョ・ディーロ [DVD] 【フランス人青年の異文化交流】 現在、ヨーロッパに住むロマ(ジプシーの中の一集団)は1000万人以上、その最も多くがルーマニア在住と言われています。この作品は、ルーマニアの寒村に定住するロマの人々と、その村に流れ着いた…

🔴本「大相撲殺人事件」感想*常識の斜め上を行く奇天烈ミステリー*小森健太朗(文春文庫)レビュー3.8点

大相撲殺人事件 (文春文庫) 【常識の斜め上を行く奇天烈ミステリー】 私、奇書と呼ばれる部類の本は結構好みです。この本も、帯の『伝説の奇書が大復活』という謳い文句に惹かれて購入しました。 『奇書』のジャンルでは、若い頃読んだ『死霊/埴谷雄高』『…

🔵映画「クリクリのいた夏」感想*古き良きフランスを描いた人情映画*(1999フランス)レビュー4.5点

クリクリのいた夏 [DVD] 【古き良き時代のフランス】 この作品は、カレ(沼地)の畔に住むリトン一家の長女、クリクリの幼い頃の幸せな記憶を彼女の回想形式で綴った、懐かしくも心温まるヒューマンドラマです。 これは傑作、と胸を張ってオススメできる映画…

🔵映画「ダンシング・ヒーロー」感想*直球勝負のダンスエンタメ!*(1992オーストラリア)レビュー4.3点

ダンシング・ヒーロー [Blu-ray] 【直球勝負のダンスエンタメ!】 『ダンシング・ヒーロー』と言えば、荻野目洋子。今、バブリーダンスの大阪府立登美丘高校が話題になっています(あのキレキレダンスの躍動感!ぶっとび〜♪です)が、こちらの方は、バブル崩…

🔴本「満天のゴール」感想*人が人を想うこと〜涙腺崩壊の感動本*藤岡陽子(小学館)レビュー4.4点

満天のゴール 【人が人を想うこと〜涙腺崩壊の感動本】 やっぱり読書っていいですね。この本を読むと、しみじみとそう思います。 作者は現役のナースとか。僻地医療の厳しい現実や人の生死の重みがリアルに胸に迫ってくるのはきっとそのせいなのでしょう。少…

🔴本「フラダン」感想*課題図書に相応しい、若者にピッタリの良書*古内一絵(小峰書店)レビュー4.2点

フラダン (Sunnyside Books) 【若者のしなやかな感性と行動力】 この作品は、震災から5年たった福島を舞台に、フラダンスに打ち込む高校生の日常を描いたものです。キラキラした青春と復興半ばの福島の現実との明暗に思いは複雑ですが、若者たちのしなやか…

🔵映画「ミフネ」感想*ままならぬ人生なら、なりゆきに任せて*(1999デンマーク)レビュー4.4点

ミフネ [DVD] 【ままならぬ人生なら、なりゆきに任せて】 最近ハリウッド映画を3本観ました。どれもそこそこ楽しめたのですが、長々とコメントするような類の作品でもないので、寸評に止めます。 キングコング 髑髏島の巨神/(2017アメリカ) 映画というよ…

🔴本「ピエールとリュース」感想*クラシックの名曲のような格調と気品が漂う名作*ロマン・ロラン(鉄筆文庫)レビュー4.4点

ピエールとリュース (鉄筆文庫) 【クラシックの名曲のような格調と気品】 この作品、40数年ぶりの再読です。確か『ジャン・クリストフ』に感動してその勢いで手にした本だったと記憶しています。小品ながら人間の愚かしさと美しさを見事に描き切った恋愛&反…

🔵映画「オリーブの樹は呼んでいる」感想*命を繋ぐオリーブの樹*(2016スペイン)レビュー3.8点

オリーブの樹は呼んでいる [DVD] 【威風堂々のオリーブの樹】 お久しぶりです! 長々とサボっていたので、“とうとうポックリ逝ったか?”と思われた方もおいでかもしれませんが……ドッコイ生きとります!→サバイバル・ライフw この間恥ずかしながら、YouTubeに…

🔵映画「テンダー・マーシー」感想*ハリウッドの良心を感じるヒューマンドラマ*(1993アメリカ)レビュー4.1点

テンダー・マーシー [DVD] 【ハリウッドの良心を感じる映画】 地味で平凡なストーリーだが、観終わった後、じわりと心地よい余韻が広がるヒューマンドラマ。 ロバート・デュバルの渋さとテス・ハーパーの慎ましさが光る。 ときどきこういう映画を作るから、…

🔵映画「秘密の花園」感想*イギリスの伝統と格式を感じさせる品の良い作品*(1993アメリカ)レビュー4.0点

秘密の花園 [DVD] 【英国の伝統と格式】 原作は『小公子』『少公女』で有名なアメリカ(イギリス出身)の児童文学作家F・バーネットの同名小説。 イギリスの伝統と格式を感じさせる品の良い映画。ヨークシャーの風景美が素晴らしく、荒涼たる原野が広がる冬…

🔵映画「月の輝く夜に」感想*不器用な大人のための恋愛映画*(1987アメリカ)レビュー4.2点

月の輝く夜に [DVD] 【不器用な大人のための恋愛映画】 大人の悲喜こもごもの人間模様をコミカルに描いたラブコメ映画。人生のちょっとした修羅場をカラッと明るく描いているところがいい。登場人物の全員がとてもチャーミングで、気の利いたセリフもgoo! …

🔴本「ピンザの島」感想*出口のない若者の究極の選択*ドリアン助川(ポプラ文庫)レビュー3.9点

([と]1-3)ピンザの島 (ポプラ文庫) 【出口のない若者の究極の選択】 生きることの意味を真摯に問い続ける作家、ドリアン助川の力作長編。 ピンザとは沖縄の宮古島でいうヤギのこと。南の島の美しくも厳しい自然の中で育まれる主人公とピンザとの温かい交流が…

🔴本「出版禁止」感想*ミステリーというよりサスペンスホラーに近いテイストの一作*長江俊和(新潮文庫)レビュー3.7点

出版禁止 (新潮文庫) 【コテコテに凝った趣向のミステリー】 「裏切られた!!こんな経験二度としたくない!」という本仮屋ユイカ嬢の帯の触れ込みに惹かれて購入。 ……で、ユイカ嬢の絶叫は分からないではないが、少し大袈裟なような気もする。 ミステリーと…

🔵映画「アドベンチャー・ファミリー」感想*子どもたちにオススメのアドベンチャー映画*(1975アメリカ)レビュー3.8点

アドベンチャー・ファミリー HDマスター版 [DVD] 【懲りない一家?夢のある一家?】 都会を捨てて大自然の中で暮らすロビンソン一家の愛と冒険の物語。 ディズニーの『スイスファミリー・ロビンソン/(1960アメリカ)』と同じく、子どもたちにオススメのア…

🔵映画「カウチ・イン・ニューヨーク」感想*名優が揃えばいい映画ができるという訳でもない*(1996フランス,ベルギー,ドイツ)レビュー3.5点

カウチ・イン・ニューヨーク [DVD] 【せっかくの名優の共演なのに……】 ウィリアム・ハートとジュリエット・ビノシュの共演ということでかなり期待してたのだが……なんかイマイチ。 ジュリエット・ビノシュのファンとしては、一言物申したくなる映画。 【あら…

🔴本「猫」感想*名文に浸る贅沢な時間が過ごせる猫哲学の本*井伏鱒二、谷崎潤一郎他(中公文庫)レビュー4.4点

猫 (中公文庫) 【名文に浸る贅沢な時間】 大正・昭和の猫愛好家の小説家、洋画家、評論家、物理学者、民族学者らによる猫にまつわる随筆集。 これは立派な猫哲学の本。ゆったりとした時間に味わう名文は至福のひととき。 【感想・レビュー】 有馬頼義、猪熊…

🔵映画「ボーンイエスタディ」感想*肩の凝らないラブコメ映画*(1993アメリカ)レビュー3.9点

【肩の凝らないラブコメ】 1950年の同名映画のリメイク作品。気楽に安心して楽しめる、いかにもハリウッドらしいテイストのラブコメ映画。 本作(1993年版)のDVDは廃盤になっているようなので、今回はポスターでの紹介。 【あらすじ】 シカゴの不動産王ハリ…

🔵映画「3人の逃亡者」感想*父性愛をくすぐる映画*(1989アメリカ)レビュー4.3点

3人の逃亡者 [DVD] 【父性愛をくすぐる映画】 フランシス・ヴィベール監督の『3人の逃亡者/銀行ギャングは天使を連れて(1986フランス)』のリメイク作品。 同監督がハリウッドで二匹目のドジョウを狙った作品だが、とてもよく出来ている(残念ながらフラ…

🔴本「夢巻」感想*かなりぶっ飛んだショート・ショート*田丸雅智(双葉文庫)レビュー3.6点

夢巻 (新世代ショートショート) 【かなりぶっ飛んだショート・ショート】 奇想天外、奇々怪々、奇妙奇天烈のショート・ショート全20篇。 ……しかし、作家稼業も大変だ。毎日こんなヘンテコリンなことばかり考えて、頭がヘンにならないのだろうかと、つい余計…

🔴本「今夜は眠れない」感想*安心して読めるミステリー*宮部みゆき(角川文庫)レビュー3.7点

. 今夜は眠れない (角川文庫) 【安心して読めるミステリー】 中学生の主人公の軽妙な語り口が楽しい、ライトなミステリー。出来は平凡だと思うが(失礼!)、作者の余裕とサービス精神を感じる一冊。 【あらすじ】 平凡な家庭に暮らす中学1年生の緒方雅男。…

🔵映画「グローイング・アップ」感想*イスラエルの男の子の垢抜けない青春*(1978イスラエル,アメリカ)レビュー3.9点

グローイング・アップ [DVD] 【イスラエルの男の子の垢抜けない青春】 美しい女の子に憧れるごくフツーの多感な男の子の青春の一コマを描く。 ……年頃の男の子の悩みに時代や国境はない。そこが面白い。 男の子は大切な何かを失いながら少しずつ大人になって…