お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

🔵映画「セブン」/(1995アメリカ)感想*救いがなくて嫌いだけど……認めざるを得ない映画*レビュー4.1点

セブン [Blu-ray] 【救いがなくて嫌いだけど……】 『ファイト・クラブ』のデーヴィッド・フィンチャー監督作品。 あまり気乗りはしなかったのですが、一度観ておくべき作品かと思って。……で、案の定、恐ろしく陰気で不気味なサイコスリラー。救いのなさも桁違…

🔴本「雪には雪のなりたい白さがある」/瀬那和章(創元推理文庫)感想*優しさよりも切なさが勝る、ほろ苦い短編集*レビュー4.0点

雪には雪のなりたい白さがある (創元推理文庫) 【孤独に向き合うということ、人と繋がるということ】 洒落たタイトルに惹かれて読んでみました。公園を舞台にした、優しくて切ない全五話の物語。登場する公園は、港の見える丘公園(第一話)、あけぼの子ども…

🔵映画「バーフバリ2〜王の凱旋」/(2017インド)感想*凄いぞインド映画!パート1を凌駕する圧倒的なスケール感と躍動感*レビュー4.3点

バーフバリ2 王の凱旋 [Blu-ray] 【これぞエンタメ!大満足のパート2】 『バーフバリ2』、Amazonから届きました!待ってたよ〜wkwk いやあ、このパート2、パート1以上にスケールがデカくて、ド迫力です。笑いあり涙ありでワクワクドキドキ。ドラマ性もあ…

🔴本「ルビンの壺が割れた」/宿野かほる(新潮社)感想*1通ごとにガラリと変わる世界、その行き着く先は?……*レビュー3.9点

ルビンの壺が割れた 【多くは書けないけれど……これは衝撃!】 紀む伊國屋書店の話題作コーナーの平積み本、しかも、ポップが扇情的だったので、興味津々で即購入。薄くて読みやすい割には、スリリングで衝撃的。確かにこれは一気読みの小説。 しかし、感想は…

🔵映画「男たちの挽歌」/(1986香港)感想*アジア的“情念”に彩られた香港ノワール*レビュー4.1点

男たちの挽歌 <日本語吹替収録版> [Blu-ray] 【男の友情と確執をドラマチックに描く】 ジョン・ウー監督とチョウ・ユンファの出世作。同じコンビによる『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』も熱くてヒリヒリしますが、こちらもなかなかの出来。ドラマチッ…

🔴本「雪冤」/大門剛明(角川文庫)感想*人はどこまで自己犠牲ができるのか?いろいろ考えさせられるミステリー*レビュー3.9点

雪冤 (角川文庫) 【社会派小説としてはよく出来た小説】 第29回横溝正史ミステリ大賞受賞作。 死刑制度と冤罪という重いテーマに正面から取り組んだ社会派ミステリー。 作者の想いが籠もった力作です。ただその想いが強すぎるためか、ストーリーが膨らみすぎ…

🔵映画「極北のナヌーク」/(1922アメリカ)感想*勝手に世界映画遺産に認定!100年前のイヌイットの暮らし*レビュー4.4点

極北のナヌーク(極北の怪異) ロバート・フラハティ [Blu-ray] 【日本人とそっくりなイヌイット】 イヌイット(エスキモーの最大部族)って見た目が日本人とそっくりですね(穏やかそうなイメージも)。人種は同じモンゴロイドとか。それだけに余計ナヌーク一…

🔴本「隣の女」/向田邦子(新潮文庫)感想*酸いも甘いも噛み分けた、いぶし銀のような短編集*レビュー3.7点

新装版 隣りの女 (文春文庫) 【女性の本質を突いたほろ苦い小説】 うーん、渋いですね。“酸いも甘いもの噛み分けた”という表現がピッタリの、いぶし銀のような短編集だと思います。 この小説、女性の描き方がエグいです。そこに一番感心します。……好みかどう…

🔵映画「ヤングガン」/(1988アメリカ)感想*逃げて生き延びるか、戦って死ぬか?6人のアウトローの無軌道な青春*レビュー3.9点

ヤングガン [Blu-ray] 【イケメン6人が結集したアウトロー映画】 Congratulation!!昨日は、羽生、宇野の両選手と藤井六段の大活躍が見られて気分の良い1日でした。結果の素晴らしさはもちろんのこと、それ以上に感動したのは、彼らの礼儀正しく謙虚なコ…

🔴本「夏の祈りは」/須賀しのぶ(新潮文庫)感想*深いところを突いた、考えさせられる野球小説*レビュー4.1点

夏の祈りは (新潮文庫) 【生真面目さがウリの野球小説】 「本の雑誌が選ぶ2017年度文庫ベストテン」1位、「オリジナル文庫大賞」大賞の2冠に輝く、高校野球をテーマにした青春小説。 賞に相応しい作品かどうかは別として(選考基準がよく分からない)、野…

🔵映画「コードネームU.N.C.L.E.」/(2015アメリカ)感想*60年代のレトロ感になんかほっこりしてしまうスパイ映画*レビュー4.1点

コードネームU.N.C.L.E. [Blu-ray] 【アナログ時代のスパイ映画の再現】 懐かしい!中学生の頃、TVシリーズ『0011ナポレオン・ソロ』は欠かさず観てました。内容は全く憶えていませんが、なぜかロバート・ヴォーンとデヴィッド・マッカラムの名前だけは今で…

🔴本「透明カメレオン」/道尾秀介(角川文庫)感想*うーん。イマイチ乗れない感涙⁉小説*レビュー3.7点

透明カメレオン (角川文庫) 【ちょっと苦手なタイプの主人公】 確か、数年前「王様のブランチ」で特集が組まれた作品だったような……。ちょっと苦手意識のある道尾作品ですが、ブランチ推薦ということで読んでみました。 結果は……「フツーかな」という印象。“…

🔵映画「バーフバリ〜伝説誕生」(2016インド)感想*伝説あり、バトルあり、ロマンスありのスペクタクル巨編*レビュー3.9点

バーフバリ 伝説誕生 [Blu-ray] 【スクリーンで観たい大型活劇】 久々のインド映画、それも『マッキー』のS.S.ラージャマウリ監督作品と聞いて、即Blu-rayゲット! この映画、前・後編の二部作で、この『伝説誕生』はちょうどいいトコで終わっています。アチ…

🔴本「宇喜多の捨て嫁」/木下昌輝(文春文庫)感想*歴史小説の新たな扉を開く大型新人のデビュー*レビュー4.3点

宇喜多の捨て嫁 (文春文庫) 【乱世の人間を描き切った力作】 これは力作。これだけ重厚感のある歴史小説は久し振りです。この作家、これがデビュー作とか。まだまだいろんな所にいろんな才能が潜んでいるものですね。 ちなみにこの作品、『サラバ!』を抑え…

🔵映画「ドリーム」/(2016アメリカ)感想*“ガラスの天井”を破った女性たちの感動の実話*レビュー4.3点

ドリーム 2枚組ブルーレイ&DVD [Blu-ray] 【“女性の壁”の先にある“非白人”の壁】 トイレも水飲み場も図書館も、白人用と非白人用に分けられていた時代、自らの手で新しい扉を開いていった黒人女性たちのトゥルーストーリー。 当時、世界最先端の科学技術を…

🔴本「かがみの孤城」/辻村深月(ポプラ社)*2018本屋大賞ノミネート作品その6*レビュー4.5点

かがみの孤城 【今年№1⁉堂々のイチオシ小説】 2018本屋大賞ノミネート作のうち6作を読んでみました。……で、私が書店員だったら、間違いなくこの『かがみの孤城』に一票を投じます。あと4作残してはいますが、“もうこれで決まり、これにしましょうよ”とい…

🔵映画「マグニフィセント・セブン7」/(2016アメリカ)感想*ちょっと不完全燃焼の21世紀版『七人の侍』*レビュー3.7点

マグニフィセント・セブン [SPE BEST] [Blu-ray] 【キャスティングは豪華なのに……】 この作品、『七人の侍』のリメイク(『荒野の七人』)のリメイクといったところでしょうか。志村喬→ユル・ブリンナー→デンゼル・ワシントンという系譜はまあまあかなと思い…

🔴本「キラキラ共和国」/小川糸(幻冬舎)*2018本屋大賞ノミネート作品その5*感想&レビュー4.2点

キラキラ共和国 【幸せになれる秘密のおまじない“キラキラ”】 前作「ツバキ文具店」を読んでいないので、多少分からないところはあるのですが(なんで“パンティー”さん?バーバラ婦人は日本人?美雪さんはどんな事件に巻き込まれたの?などなど)、まあ、分…

🔵映画「バーレスク」/(2010アメリカ)感想*アメリカン・カルチャーの底力を痛感する映画*レビュー4.1点

バーレスク [SPE BEST] [Blu-ray] 【ザッツ・エンターテイメント!ザッツ・アメリカ!】 歌ありダンスありロマンスありの楽しい(ミュージカル)映画。クリスティーナ・アギレラが歌って踊るバーレスク・ラウンジのゴージャスなショーが最大の見どころです。…

🔴本「屍人荘の殺人」/今村昌弘(東京創元社)*2018本屋大賞ノミネート作品その4*感想&レビュー4.3点

屍人荘の殺人 【噂に違わぬ面白さ!前代未聞のミステリー】 なんちゅう奇抜な設定でしょう。ここまでブッ飛んだ小説は久し振り。とにかく、キャラよし、アイデア(トリック)よし、プロットよしで、とことん楽しめるミステリーです。 この作家、これがデビュ…

🔵映画「やさしい本泥棒」/(2013アメリカ,ドイツ)感想*人間の醜さと美しさが深く心に刺さる映画*レビュー4.3点

やさしい本泥棒 [Blu-ray] 【これが劇場未公開?】 こんな良質の映画が劇場未公開だったなんて⁉ちょっとびっくりです。公開されなかった経緯は承知していませんが、見る目がないというか、もったいないというか、それが少々残念です(それでもDVD化はされた…

🔴本「たゆたえども沈まず」/原田マハ(幻冬舎)*2018本屋大賞ノミネート作品その3*感想&レビュー4.1点

たゆたえども沈まず 【天才画家の内面に肉薄した力作】 開高健が愛した名句『漂えど沈まず』は彼自身のオリジナルかと思っていましたが、語源はパリ市の紋章に刻まれたラテン語だったんですね(Fluctuat nec mergitur……セーヌの荒れ狂う波の中にあっても、舟…