お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

BOOK(海外小説)

🔴本「オリジン」/ダン・ブラウン(角川書店)感想*謎、謎、謎、疾走するサスペンス*レビュー4.1点

オリジン 上 オリジン 下 【人工知能ウィンストンの圧倒的な存在感】 スケール感のある面白本が読みたくなって、買って来ました、ダン・ブラウン! 『オリジン』は、『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』『ロスト・シンボル』『インフェルノ』に続くロバ…

🔴本「コリーニ事件」/フェルディナント・フォン・シーラッハ(創元推理文庫)感想*ドイツの刑事事件弁護士が描く衝撃と感動のリーガル・サスペンス*レビュー4.5点

コリーニ事件 (創元推理文庫) 【これは圧巻!衝撃と感動のリーガル・サスペンス】 ベルリンで刑事事件弁護士として活躍する著者のリーガル・サスペンス小説。 デビュー作の「犯罪」も凄い!と唸ったけど、これはそれ以上かも。 200ページ足らずの中篇ながら…

🔴本「初秋」/ロバート・B・パーカー(ハヤカワ・ミステリ文庫)感想*スペンサー流“男の流儀”に痺れる傑作ハードボイルド小説*レビュー4.3点

初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ) 【スペンサー流“男の流儀”に痺れる一作】 スペンサー・シリーズ第7作として、1981年に発表された傑作ハードボイルド小説。 スペンサー・シリーズは初読みですが、面白いですね。なによりスペンサーがカ…

🔴本「青空のむこう」/アレックス・シアラー(求龍堂)感想*辛いことがあっても嫌なことがあっても、生きてることはすばらしい!*レビュー4.2点

青空のむこう 【生きてるってすばらしい!】 名作「13ヶ月と13週と13日と満月の夜」のアレックス・シアラー作のファンタジー小説。 どんなに辛いことや嫌なことがあっても、人生は生きてるだけですばらしい……そんなシアラーのメッセージがひしひしと伝わって…

🔴本「書店主フィクリーのものがたり」/ガブリエル・ゼヴィン(ハヤカワepi文庫)感想*本をこよなく愛する人への素敵な贈り物*レビュー4.4点

書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫) 【本を愛する人のための本】 2016本屋大賞「翻訳小説部門」1位の作品。 本好きにぴったりの本です。主人公フィクリーの“本”への偏愛ぶりに同士愛を感じて、何だか懐かしい友人に出会ったような気持ちになり…

🔴本「オンブレ」/エルモア・レナード(新潮文庫)感想*ワイルドでクール、孤高のオンブレに痺れっ放し!*レビュー4.2点

オンブレ (新潮文庫) 【ワイルドでクール、孤高のオンブレ】 村上春樹訳の西部(ウエスタン)小説。 表題作の「オンブレ」は「太陽の中の対決/1967ポール・ニューマン主演」、併録の「三時十分発ユマ行き」は「決断の3時10分/1957グレン・フォード主演」…

🔴本「賢者の贈りもの」感想*やっぱり人の感情に流行り廃りはない*O・ヘンリー(新潮文庫)レビュー4.2点

賢者の贈りもの: O・ヘンリー傑作選I (新潮文庫) 【手練の短編作家が描く人生の妙味】 泣き笑いのツボを外さない短編の名手O・ヘンリーの表題作外15の作品を集めた傑作短編集。 100年以上も前に書かれた作品なのに、古さを全く感じさせないところが凄いと思…

🔴本「飛ぶ教室」感想*不遇の子どもたちに惜しみなく愛を注ぐ児童文学作家ケストナーならではの名作*E ・ケストナー(新潮文庫)レビュー4.5点

飛ぶ教室 (新潮文庫) 【騎士道精神を持った腕白小僧たち】 ケストナー原作の映画『点子ちゃんとアントン』と『ファミリー・ゲーム(ふたりのロッテ)』がとても良かったので、一度小説の方も読んでみたいと思っていました。 ……で、結果は期待した以上。この…

🔴本「ピエールとリュース」感想*クラシックの名曲のような格調と気品が漂う名作*ロマン・ロラン(鉄筆文庫)レビュー4.4点

ピエールとリュース (鉄筆文庫) 【クラシックの名曲のような格調と気品】 この作品、40数年ぶりの再読です。確か『ジャン・クリストフ』に感動してその勢いで手にした本だったと記憶しています。小品ながら人間の愚かしさと美しさを見事に描き切った恋愛&反…

🔴本「悪童日記」感想*戦禍をしたたかに生き抜いていくさまを描いた傑作(反戦)小説*アゴダ・クリストフ(ハヤカワepi文庫)レビュー4.5点

悪童日記 (ハヤカワepi文庫) 【恐るべきピカレスク・ロマン】 魔女と呼ばれる祖母のもとに疎開した幼い双子の兄弟が、悪魔的天才ぶりを発揮して、戦禍をしたたかに生き抜いていくさまを描いた傑作(反戦)小説。 【あらすじ】 舞台は第二次世界大戦下のハン…

🔴本「時をとめた少女」感想*心の底に燻る様々な感情が喚起される名短編集*ロバート・F・ヤング(ハヤカワ文庫)レビュー4.2点

時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF) 【センチな大人のための壮大なお伽噺】 SFの叙情詩人ロバート・F・ヤングによる、大人のためのファンタジー。表題作の『時をとめた少女』ほか6篇を収録。 歓喜、憧憬、悲嘆、憂愁、懐古、感傷……心の底に燻る様々な感情が喚…

🔴本「紙の動物園」感想*SF小説の新たな地平を切り拓く記念碑的作品*ケン・リュウ(ハヤカワ文庫)レビュー4.5点

紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1) 【ホンモノの才能の煌き】 気鋭の中国系アメリカ人作家、ケン・リュウの短編七篇を収録した傑作短編集。 これはもう、SF小説の新たな地平を切り拓く記念碑的作品と言っても過言ではないだろう。 やはり世界は驚きに満…

🔴本「ロボット・イン・ザ・ガーデン」感想*ラストは拍手を贈りたくなる心地好さ。これぞファンタジー!*デボラ・インストール(小学館文庫)レビュー4.4点

ロボット・イン・ザ・ガーデン 【人間を再生するロボット】 34歳のダメ男とポンコツロボットの友情と冒険を描くSFファンタジー。とにかく、ポンコツロボットのテングが文句なしに可愛らしい。 【あらすじ】 物語の舞台は、アンドロイドが人間に代わって車の…

🔴本「犯罪」/フェルディナント・フォン・シーラッハ(創元推理文庫)*ミステリーというより優れた心理小説と呼ぶべき作品*レビュー4.4点

犯罪 (創元推理文庫) 【心の謎に迫る極上の心理小説】 ドイツの刑事弁護人の著者が実際の事件を素材として、罪を犯す人間たちの複雑な心理を描いた11の連作短編集。 【あらすじ】 どの短編も優れているが、最も後味が良いのは最終話『エチオピアの男』。 ………

🔴本「卵をめぐる祖父の戦争」/デイヴィッド・ベニオフ(ハヤカワ文庫)*ラストの1ページがとにかく見所!*レビュー4.4点

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV) 小説「25時」や映画「トロイ」を手がけたアメリカの作家、脚本家のデイヴィッド・ベニオフの3作目の小説。意味深なタイトルに惹かれて購入したが、内容は想像以上の出来。 【あらすじ】 物語の舞台は、1942年のドイ…

🔴本「アリバイ・アイク R・ラードナー傑作選」(新潮文庫)*ラードナーの炸裂するユーモアに終始頬が緩みっ放しの一冊*レビュー4.3点

アリバイ・アイク: ラードナー傑作選 (新潮文庫) アメリカの短編小説の名手リング・ラードナーの13の短編を収録した作品集。 【内容】 褒められても腐されても言い訳しか言わない野球選手、血も涙もない成り上がりのボクサー、患者の容態などお構いなしに喋…

🔴本「人生のちょっとした煩い」/G・ペイリー(文春文庫)*しんどいけど面白いユニークな作品*レビュー4.2点

人生のちょっとした煩い (文春文庫) 彼女の書いたものは全て自分の手で訳してみたい……。村上春樹にそう言わしめた、アメリカの主婦小説家グレイス・ペイリーの初期短編10篇から成る第一作品集。 【感想・レビュー】 断っておくが、この作品は結構しんどい。…

🔴本「チャリング・クロス街84番地」書物を愛する人のための本/ヘレーン・ハンフ(中公文庫)は、映画も原作もオススメ!レビュー4.5点

チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫) サブタイトルは、「書物を愛する人のための本」。読書家のことではない。読むことだけでなく、書物の装丁、手触り、傷み、シミなど一切合切ひっくるめて、本が好きで好きでたまらない人のこ…