BOOK (文芸小説)
猫 (中公文庫) 【名文に浸る贅沢な時間】 大正・昭和の猫愛好家の小説家、洋画家、評論家、物理学者、民族学者らによる猫にまつわる随筆集。 これは立派な猫哲学の本。ゆったりとした時間に味わう名文は至福のひととき。 【感想・レビュー】 有馬頼義、猪熊…
とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51) 【軽妙洒脱な王朝ロマン】 平安時代後期に成立したとされる原典を、田辺聖子が現代語訳した作品。 “自分の人生は自分で決める”と決意した女主人公の力強い生き方を描く。 『とりかえばや』とは『とりかえたいなあ』とい…
号外/少年の悲哀―他六篇 (岩波文庫 緑 19-4) 独歩と言えば「武蔵野」や「牛肉と馬鈴薯」が有名だが、学生時代好きだったのは「馬上の友」と「画の悲み」。書店を探してみたが、どちらの作品も見当たらなかったので、やむなくBOOKOFFでこの本を購入。 【感想…
されどわれらが日々― (文春文庫) この作品を初めて読んだのは大学1年の頃。 丁度オイルショックの激震が日本を襲った頃だったと思う。既に構内には70年安保の熱気はなく、たまに学生集会のために休講になる程度の余熱しかなかった時代に、なぜかこの本だけ…