お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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🔵映画「ベイビー・ドライバー」/(2017アメリカ)感想*リリー・ジェームズの愛らしさで+0.2の加点*レビュー4.0点

ベイビー・ドライバー(通常版) [Blu-ray]

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【懐かしのサイモン&ガーファンクル】

ちょっと周回遅れの感はありますが、たまにはメジャーなやつもいいかも、ということで。

最初は……はぁぁ?ベイビー・ドライバー?赤ちゃんの無免許運転?自動運転の新手の試験走行?なんてアホな考えが一瞬頭をかすめました(笑)

次に頭に浮かんだのが、サイモン&ガーファンクルの『ベイビー・ドライバー』(コレって確か、バイク狂のアンチャンの歌でしたね)。なんか関係あるんかなと思っていたら、やっぱりエンドロールに流れていました。Bingo!

わりと古い楽曲が使われているせいか、ちょっとレトロな雰囲気が漂っていて、オッサン世代にも結構ウケる映画かなと思います。

私も十分楽しめました。もっとも、一番のお気に入りは、音楽でもカーチェイスでもなく、可憐なヒロインのデボラちゃん(リリー・ジェームズ)なんですが……。

【あらすじ】

幼い頃、交通事故で両親を亡くし、自らも耳に障害を負ったベイビー。耳障りな音を消すために常にiPodとロックが欠かせない。

そんなベイビーの仕事は闇の組織のドライバー。ボスのドクにその天才的ドライビングテクニックを見込まれて、銀行を襲った仲間の逃走を手助けする仕事を請け負っていた。

そんなベイビーが、レストランで働く可憐な女性・デボラと知り合い、恋に落ちる。

ベイビーは、親身に自分の身を案じてくれる養父やデボラのために組織を抜けようと決心するが、ドクはそれを許そうとしない。

今度のヤマは郵便局の襲撃。ベイビーがいつものように車で待機していたとき、現場で思わぬアクシデントが起こる……。

【感想・レビュー】

全体的にスピード感があって、退屈を感じさせない映画。エンタメ映画としてはよく出来ていると思います。

特に前半は文句なし。カーチェイスよし、音楽よしで、悪役のキャラも個性的、そしてなによりベイビー(アンセル・エルゴート)がクールでスタイリッシュ。

なのに、後半ヘタレ気味なのがもったいないですね。失速の原因は、ベイビーとドク(ケビン・スペイシー)のキャラのブレ?

ベイビーは、出だしクールで“ワォ!”、恋に目覚め、好青年に変身して“ヘェ⁉”、最後は拳銃ぶっ放して“アチャー‼”って感じですかね。ドクも、ラスボス感ありまくりだったのに意外とイイ奴だったりして、拍子抜け。こんなクライム・アクション系の映画では、ワルは最期まで、徹底的にワルであってほしいのですが……コレって、最近プライベートでサンドバッグ状態のケビンに対する忖度なんでしょうか(笑)。

期待していたバッツ(ジェイミー・フォックス)も、たいした見せ場もなく途中退場してしまうし(予想外の小物感⤵)……ワル仲間での収穫は、バディ(ジョン・ハム)位でしょうか。けだるい雰囲気から醸し出される彼の静かな狂気と偏質的な執念はなかなか見応えがありました。

それに身体の不自由な養父が良かったですね。手話でのぎこちない会話の一つ一つにベイビーへの素朴な愛が滲んでいて、これは一服の清涼剤。デボラは演技がどうこう言う以前に、庶民的な愛らしさがなんとも魅力的で、いっぺんにファンになりました。やっぱりハリウッドは美人の裾野が広いですね。

ゴキゲンな映画だけれど、後半の失速感が惜しい映画。予定調和の結末に持っていくのに多少ムリしたようにも感じます。後半にレッド・ツェッペリンやらディープ・パープルなんかをブチ込んでいたら疾走感をキープできたかも、なんて思ったりもするんですが、これは個人の趣味の問題ですね。