お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

BOOK(SF・ファンタジー)

🔵映画「天国への階段」/(1946イギリス)感想*神様も降参の“一耳惚れ”の恋*レビュー4.3点

天国への階段 [DVD] 【一目惚れならぬ“一耳惚れ”の恋】 天国の使者のミスで生き返った英国男が米国女との恋を叶えるため、あの世とこの世を行ったり来たりする話。 何となくエルンスト・ルビッチの「天国は待ってくれる/(1943アメリカ)」を思い出します。…

🔴本「絹の変容」/篠田節子(集英社文庫)感想*グレゴール・ザムザも真っ青!悪夢のようなSFパニック小説*レビュー3.8点

絹の変容 (集英社文庫) 【悪夢のようなSFパニック小説】 第3回小説すばる新人賞受賞作。 いやあ……芋虫って気色悪いですね。あの鮮やかな体色といい、ぷにゅぷにゅした感触といい、潰したときに飛び出す緑色や茶色の体液といい……あ〜、食欲が失せました。 こ…

🔴本「かがみの孤城」/辻村深月(ポプラ社)*2018本屋大賞ノミネート作品その6*レビュー4.5点

かがみの孤城 【今年№1⁉堂々のイチオシ小説】 2018本屋大賞ノミネート作のうち6作を読んでみました。……で、私が書店員だったら、間違いなくこの『かがみの孤城』に一票を投じます。あと4作残してはいますが、“もうこれで決まり、これにしましょうよ”とい…

🔴本「百貨の魔法」/村山早紀(ポプラ社)*2018本屋大賞ノミネート作品その2*感想&レビュー4.3点

百貨の魔法 【人の善意が紡ぎ出す魔法の物語】 地域の歴史ある百貨店……たぶんどの都市にもそんな百貨店があるんだろうと思います。この小説を読んで、親に連れられて初めて百貨店に行った日のことを思い出しました(半世紀以上も前のことなのに、レストラン…

🔴本「たまうら〜玉占〜」感想*幸せに生きるための秘訣を教えてくれる*星乃あかり(小学館文庫)レビュー3.5点

たまうら: 玉占 (小学館文庫) 【幸せに生きるための秘訣】 分かりやすい文章で内容もライト、気楽な気分でサクサク読めるエンタメ時代小説(ジャンル的にはファンタジーでしょうか)。 この小説のターゲットはたぶん若年層だろうと思いますが、これを幸せに…

🔵映画「オー!ゴッド」感想*信じる者は救われる*(1977アメリカ)レビュー4.2点

オー! ゴッド [DVD] 【信じる者は救われる】 古き良き時代の名残りを留める70年代のアメリカ(人)の宗教観を軽妙に描いた作品。荒唐無稽なストーリーながら、切り口がユニークで、語り口もユーモラスなので、宗教に全く関心がない人でも十分楽しめる映画か…

🔴本「烏に単は似合わない」感想*この作家の物語の構築力や創造性は大したもの*阿部智里(文春文庫)レビュー3.8点

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫) 【気鋭の新人が描くパラレルワールド】 これって、ファンタジー?ミステリー?それとも王朝ロマン?……よく分かりませんが、まあ、人が烏に変身できることを除けば、ミステリアスな王朝ロマンってトコでしょ…

🔴本「夢巻」感想*かなりぶっ飛んだショート・ショート*田丸雅智(双葉文庫)レビュー3.6点

夢巻 (新世代ショートショート) 【かなりぶっ飛んだショート・ショート】 奇想天外、奇々怪々、奇妙奇天烈のショート・ショート全20篇。 ……しかし、作家稼業も大変だ。毎日こんなヘンテコリンなことばかり考えて、頭がヘンにならないのだろうかと、つい余計…

🔴本「機龍警察」感想*日本SF大賞&吉川英治文学新人賞受賞作*月村了衛(ハヤカワ文庫)レビュー3.8点

機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) 【至近未来の警察小説】 『土漠の花』の月村了衛による《機龍警察シリーズ》の第一弾。近接戦闘兵器・機甲兵装の新型機《機龍兵》に搭乗する3人の傭兵と彼らをサポートする警視庁特捜部員の活躍を描く。 日本SF大賞&…

🔴本「消えてなくなっても」感想*悲しみと慈しみのファンタジー*椰月美智子(角川文庫)レビュー3.9点

【悲しみと慈しみのファンタジー】 この世とあの世の結界のような山奥の治療院を舞台に、運命に翻弄される人間の魂の救済を描いたファンタジー。 儚く切ない物語ではあるが、素直に泣けないのは、年のせいだろうか……。 【あらすじ】 幼い頃に両親を亡くして…

🔴本「13ヶ月と13週と13日と満月の夜」感想*少年少女の時代にこの本に出会えた人は幸せだと思う*アレックス・シアラー(求龍堂)レビュー4.3点

13ヵ月と13週と13日と満月の夜 【ノンストップ・ファンタジー】 12歳の勇敢な女の子、カーリーの不思議な体験を描くダーク・ファンタジー。一見、中学生向けの童話のような物語だが、大人が読んでも十分愉しめる良作。 【あらすじ】 邪悪な魔女姉妹の計略に…

🔴本「ハリネズミの願い」/トーン・テレヘン(新潮社)*言葉の持つ力や詩人の豊かな想像力が味わえる一冊*レビュー4.1点

ハリネズミの願い 動物を主人公にした本を50作以上発表しているオランダの人気作家トーン・テレヘンによる、大人のための《どうぶつたちの小説》シリーズの一冊。 【あらすじ】 臆病で気難しいハリネズミは、他のどうぶつたちとうまくつきあえず、いつも独り…

🔴本「猫旅リポート」/有川浩(講談社文庫)*一人と一匹の永遠の絆が爽やかな涙を誘う、ファンタジー小説の名作*レビュー4.3点

旅猫リポート (講談社文庫) 猫好きの青年とその飼い猫との固い絆を、慈しみの眼差しで描いたロード・ノベル。温かくて切なくて爽やかで、涙腺崩壊間違いなしの一冊。有川浩が世代を超えて幅広い層から支持されるのも分かる気がする。 【あらすじ】 野良猫の…

🔴本「旅のラゴス」/筒井康隆(新潮文庫)*ラゴスの流浪の旅は、永遠の恋人デーデを探す旅であり、自分が何者かを探す旅でもある*4.3点

旅のラゴス (新潮文庫) 筒井康隆の作品は、ずっと昔に数冊読んだ程度なのではっきりとは言えないが、ブラックジョークとパロディが痛烈で、作風があまり肌に合わない作家という漠然としたイメージが残っている。しかし本作は、そうしたイメージを覆す作品で…

🔴本「不動カリンは一切動ぜす」/森田季節(ハヤカワ文庫)タイトルセンスはいいが、年寄りには不向きな本だった。レビュー3.4点 

不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA) タイトルのセンスに惹かれて購入。 第一部は「不動カリンは一切動けず」、第二部は「不動カリン、動く」、第三部は「不動カリンは一切動ぜず」。これもナイスセンス。 【感想・レビュー】 で、中身はというと、……う…