BOOK(時代小説)
巡る桜: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫) 【人の情が身に沁みる】 書店でたまたま「上絵師 律の似面絵帖」シリーズの第四弾となるこの本を見かけまして……律ちゃんの後見人を秘かに自認する爺様としては、見過ごす訳にもいかず……ということで、早速…
静かな木 (新潮文庫) 【これぞ匠の技、見事な職人芸】 藤沢周平というと、自分の中では、作家というより職人というイメージですかね。 この作品集もどこかしら“名工の手による優れた工芸品”を彷彿とさせるものがあります。 渋く落ち着いた印象のなかにも軽妙…
うずら大名 (集英社文庫) 【「ご吉兆〜」と鳴く鶉が主役】 うーん。しっかりした造りの安定した作品だとは思いますが、何となく物足りない印象が残ります。出来としては、可もなく不可もなしといったところでしょうか(失礼)。 鶉(うずら)の佐久夜は愛嬌…
舞う百日紅: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫) 雪華燃ゆ: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫) 【恋に仕事にひたむきに】 「上絵師 律の似面絵帖」シリーズ第一弾の「落ちぬ椿」のその後が気になって、第二弾の「舞う百日紅」に挑戦。 で、更…
風の市兵衛 (祥伝社文庫) 【時代小説の魅力全開、“風の市兵衛” 見参!】 最近は、“ただ面白い本を読みたい”という単純な欲求だけで読書を続けていますが、この作品は大当たり。とにかくストーリーがよく出来ていて、キャラクターも魅力的。抜群に面白い時代…
落ちぬ椿: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫) 【恋に仕事に一途な女職人シリーズの開幕】 『上絵師 律の似面絵帖』シリーズの第一作。作者はミネソタ大卒、バングーバー在住とか。そんなキャリアの人が、なんで時代小説なんでしょう。そのギャップに…
銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫) 【あけましておめでとうございます】 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 さて、新春第一弾は、正月気分に相応しい?人情モノの時代小説です。 これは泣けます。時代小説でこんなに泣けたのは『蛍草/葉室麟』以来です。元…
阿蘭陀西鶴 (講談社文庫) 少々ジジくさいが、時代小説はいい。葉室麟の「蛍草」、乙川優三郎の「生きる」、宇江佐真理の「糸車」などは本当にいい作品だと思う。今回は、「すかたん」の才を評価して朝井まかてをチョイス。 本作は、江戸前期に活躍した浮世草…