お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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🔵映画「マグニフィセント・セブン7」/(2016アメリカ)感想*ちょっと不完全燃焼の21世紀版『七人の侍』*レビュー3.7点

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【キャスティングは豪華なのに……】

この作品、『七人の侍』のリメイク(『荒野の七人』)のリメイクといったところでしょうか。志村喬→ユル・ブリンナー→デンゼル・ワシントンという系譜はまあまあかなと思いますが、我が敬愛する宮口精二の系譜は、ジェームズ・コバーン→イ・ビョンホン。宮口ファンとしては、(ジェームズ・コバーンはともかくとして)イ・ビョンホンはちょっと違うかなという気がします。まあ、ストーリーもだいぶ違っているので、これはこれでアリなのかもしれませんが……。

【あらすじ】

極悪非道の実業家ボーグに支配されたローズ・クリークの町。ボーグに夫を殺されたエマは、復讐を誓い、賞金稼ぎのサムら7人のアウトローを雇う。初めは小遣い稼ぎのつもりだった彼らも、町を守るための正義の戦いに身を投じることを誇りに思うようになり、圧倒的な戦力を誇る敵を前に、拳銃、斧、ナイフ、弓矢などそれぞれの武器を手にして命がけの戦いを挑んでいく……。

【感想・レビュー】

『七人の侍』、『荒野の七人』のファンにとっては微妙な作品かと思いますが、勧善懲悪の分かりやすいストーリーなので、単純に映画を愉しみたい、ちょっと映画で気分転換したいという人にはオススメかもしれません。凄腕のプロフェッショナルが一人また一人と仲間に加わっていくワクワク感とか、結集した7人のアウトローのお互いへのリスペクトとかは、前二作の“男の世界”を彷彿とさせて、結構シビレます。また、悪玉が悪玉らしいところも(善玉が一層引き立って)なかなかいいと思います。

しかし、サムを除く6人が命を懸けてまで戦う理由がいまいちピンとこないのが惜しいところです。その点の説明が不十分なので、感情移入ができず、テンションも上がらないのが正直なところで(チープなセンチメンタリズム?とさえ感じてしまいます)、それがこの映画のウィークポイントかと思います。ついでに言えば、戦闘シーンでのガトリング砲も余計なような気がします(こんな強力な武器があるんだったらなんで最初から出さないの?って感じです)。

まあ、『七人の侍』や『荒野の七人』と比べると安っぽい印象は否めませんが、男同士の絆にちょっとウルッときたので、及第点でいいかなとは思います。

ちなみに、ジャンルを問わないのなら、『七人の侍』をパロディ化したコメディ、『サボテン・ブラザース』は結構オススメです。