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🔵映画「ヤングガン」/(1988アメリカ)感想*逃げて生き延びるか、戦って死ぬか?6人のアウトローの無軌道な青春*レビュー3.9点

ヤングガン [Blu-ray]

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【イケメン6人が結集したアウトロー映画】

Congratulation!!昨日は、羽生、宇野の両選手と藤井六段の大活躍が見られて気分の良い1日でした。結果の素晴らしさはもちろんのこと、それ以上に感動したのは、彼らの礼儀正しく謙虚なコメント。やっぱり常に高いところを目指してる人は違いますね。大したものです。もっとも、彼らに限らず、今の若者はおしなべて賢いなあという印象があります。頼もしい限りです。

……ということで、私のルーティンがすっかり狂ってしまいました。遅ればせながら、映画の紹介を。

今回は、西部開拓史上最も有名なアウトロー、ビリー・ザ・キッドとその5人の仲間たちの青春群像西部劇。人気若手スターたちのイキの良さがウリの映画です。

キーファー・サザーランド、チャーリー・シーン、ダイアモンド・フィリップス、(若手ではないけれど)テレンス・スタンプ、ジャック・パランスなど……確かに今観ると、かなり贅沢なキャスティングですね。紅一点がいないのがちょっと残念ですが、まあ、今回は、男の美学のお勉強ということで……。

【あらすじ】

舞台は19世紀後半のニューメキシコ州。英国紳士の牧場主タンストールは、行き場を失くしたビリー・ザ・キッドら6人のアウトローたちを自警団(ヤングガン)として雇い、親身に世話をしていたが、ある日、牧場の利権を狙うマーフィ一家に殺害されてしまう。

復讐を誓ったビリーらは、マーフィの手下を数人殺害するが、知事や保安官ら町の有力者と結託したマーフィの差し金で、彼らはお尋ね者として追われることに。

そして、ついに彼らはマーフィの罠に嵌り、“リンカン郡の戦い”と呼ばれる100人対5人の壮絶な銃撃戦に突入する……。

【感想・レビュー】

まあまあの映画ですかね。人気若手スターの共演ということで6人のアウトローのキャラクターがきっちり作り込まれている点は評価できますが、同じカテゴリーの『明日に向かって撃て!』をリアルタイムで観た世代としては、ちょっと物足りなさを感じてしまいます。確かにイキのいい映画ではあるのですが、全体的に華がないというか、鮮烈な印象(インパクト)に欠ける点が惜しいところです。たぶん主演俳優(ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード)、ヒロイン(キャサリン・ロス)、音楽(バート・バカラック)の魅力の差かなという気がします。

もっともストーリー自体は史実に基づいた復讐劇で、興味深くはあります。『明日に向かって撃て!』がベトナム戦争当時の混沌とした世相を反映した出口のない青春映画なら、『ヤングガン』は自信を取り戻しつつある時代に作られた大義のある復讐劇であり、メッセージが随分シンプルで分かりやすいものになってるように感じます。

しかし、やっぱりビリー・ザ・キッドのキャラクターにはちょっと抵抗があります(他の5人のキャラクターが魅力的なだけに残念です)。大義のための復讐のはずなのに無闇やたらと人を撃ちまくるので、単なる快楽殺人鬼?とさえ思えてしまうのです(見ようによっては、カッコよくも映りますが……)。

そんなビリーの姿を見てふと思ったのは、アメリカにおける銃社会の現状です。つい先日も高校で10数人が銃の犠牲になる痛ましい事件が発生しましたが、アメリカ開拓の歴史、移民国家の宿命(性善説は取り得ない?)、全米ライフル協会の存在などを考えると、残念ながらこの先も銃規制は進まず、同じような事件が繰り返し起こるんでしょうね(溜息)。この銃規制の問題が今のアメリカの最大のジレンマだろうと思います。

アメリカの歴史は詳しく知りませんが、素人目には、西部開拓時代(1860年代〜1890年)の終焉直後あたりが銃規制の最後のタイミングだったような気がするのですが、どうでしょうか。アメリカに比べたら、日本は安全でいいですね。これも、豊臣秀吉の“刀狩り”や明治時代の“廃刀令”のお陰なんでしょうか。