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🔵映画「ボーンイエスタディ」感想*肩の凝らないラブコメ映画*(1993アメリカ)レビュー3.9点

 

映画パンフレット「ボーンイエスタディ」 メラニー・グリフィス主演 1993年発行 [パンフレット]

【肩の凝らないラブコメ】

1950年の同名映画のリメイク作品。気楽に安心して楽しめる、いかにもハリウッドらしいテイストのラブコメ映画。

本作(1993年版)のDVDは廃盤になっているようなので、今回はポスターでの紹介。

【あらすじ】

シカゴの不動産王ハリーの愛人ビリーは、元ラスベガスのショーガール。ブロント美女だが、無知で無教養のためセレブのパーティで恥をかいてばかり。そんな彼女を見かねたハリーは、インテリで堅物の新聞記者ポールを臨時教師に雇う。

ポールは、自由奔放、天真爛漫なビリーの魅力にたちまちクラクラ。ビリーも真面目で誠実なポールに惹かれ、彼の影響で次第に自分の意見が言えるようになる。

やがてビリーは、金の力で人を屈服させようとするハリーに嫌気がさして、別れを切り出すのだが……。

【感想・レビュー】

のほほんとしたユーモアに包まれた大らかなラブコメ。

多少間延び感はあるものの、時折交じる上流階級への痛烈な皮肉が爆笑モノで、これがスパイスとしてよく効いている。ビリーがハリーに別れを告げる愁嘆場でも、ドロドロ感やジメジメ感はなく、むしろあっさりサバサバしていて小気味よく、そのドライな感じがいかにもアメリカ的、いかにもハリウッド的でいい。

ストーリー的には、はすっぱ女がインテリ男に感化されて徐々にレディに変貌していくプロセスがなかなか愉しく、興味深いところではある(何となく『プリティ・ウーマン』を連想させる)。それに何と言ってもビリーを演じるメラニー・グリフィスがチャーミング。メグ・ライアンと同じく、最近あまり見かけないのが残念だが、やはり若い頃美貌で鳴らした女優がハリウッドで生き残るのは、至難の業のようだ(大半はフケ役への切替えで失敗している。その意味ではヘレン・ミレンは驚異的。ちょっと若いがエマ・トンプソン、ジュリエット・ビノシュも凄い。肉体の衰えを知性でカバーできる女優が生き残るということか?)。……ともあれ、本作は、はすっぱ女を好演したメラニー・グリフィスの魅力全開の一作。

彼女と夫婦共演(当時)のドン・ジョンソンはやや影が薄いが、印象的なのは、ハリーを演じたジョン・グッドマン。コメディからシリアスドラマまで、どんな役柄でもこなせる幅の広さが魅力で、デカいのに器用なオッサンだ(好みで言えば『マチネー/土曜の夜はキッスで始まる』、『コヨーテ・アグリー』の演技が好き)。今回も、期待に違わず、拝金主義の横暴な実業家役を好演している。

ハリウッドの古典的名作のリメイクだけに古臭さは否めないが、明るく楽しく健全で、ラブコメ映画の見本のような一作。