🔵映画「カウチ・イン・ニューヨーク」感想*名優が揃えばいい映画ができるという訳でもない*(1996フランス,ベルギー,ドイツ)レビュー3.5点
【せっかくの名優の共演なのに……】
ウィリアム・ハートとジュリエット・ビノシュの共演ということでかなり期待してたのだが……なんかイマイチ。
ジュリエット・ビノシュのファンとしては、一言物申したくなる映画。
【あらすじ】
ニューヨークの精神分析医ヘンリーは、診療に追われる生活に疲れ、「6週間アパートを交換しませんか?」という新聞広告を出す。それに乗ったのは、パリに住むダンサーのベアトリス。
二人は早速アパートを交換するが、ヘンリーはパリでの生活に耐えきれず、直ぐにニューヨークに舞い戻る。
ところが、帰宅したヘンリーは、ベアトリスが自分の代理として、患者のセラピーをしていることを知る。
セラピーが患者に好評と聞いて不思議に思ったヘンリーは、患者を装ってベアトリスのもとを訪れる……。
【感想・レビュー】
初めから終わりまでまったりとした展開で、盛り上がりに欠ける映画。せっかくニューヨークとパリを舞台にしているのに、華やかさやオシャレ感が乏しいのが残念(シャレているのはヘンリーのマンション位?)。
更に残念なのが、地味すぎるウィリアム・ハート(ヘンリー)とジュエット・ビノシュ(ベアトリス)。劇中のウィリアム・ハートは知的ではあるが、ひたすら陰気で、鬱陶しい。ジュリエット・ビノシュも、骨太な印象で何となく野暮ったく、都会の雰囲気にそぐわない。二人とも好きな俳優なのだが、こういった軽い感じのラブコメにはあまり向いてないのでは?(どちらもスターというより“性格俳優”。少し重たい位のシリアスドラマの方が向いてるような気がするが)。
それに、演出も脚本もイマイチ。気の利いたセリフはほとんどないし、大体、服を脱ぎ散らかすことでだらしない女を演出しようなんて、陳腐すぎるだろう!
総じて、作り手の熱意が感じられない映画。
『汚れた血』も『蜘蛛女のキス』も大好きなのだが、名優が揃えばいい映画ができるという訳でもない、ということを再認識した映画。