🔵映画「男たちの挽歌Ⅱ」/(1987香港)感想*更にド派手になった銃撃戦!血湧き肉踊る男のドラマ*レビュー4.1点
【血湧き肉踊る男のドラマ】
パート1と比べると、ドラマ性は落ちるけど、銃撃戦はパワーアップ。トータルで甲乙付け難し、というところでしょうか。
でも、ジョン・ウー監督の売りはアクション美学。やっぱり見どころは壮絶な銃撃戦ですね。その意味では、満足の1本です。
さすがに古さは感じますが、アクションの演出の冴えは一級品。今観ても新鮮です。
【あらすじ】
服役中の元香港マフィアの幹部・ホーは、刑事として偽札製造組織を追う弟・キットの身を案じて、組織への潜入捜査を手伝うことに。
ホーは、かつてのボスだった重要参考人のルンに近づくが、ルンはカタギの事業に鞍替えし、真人間になっていた。
そんなルンの事業の乗っ取りを企む組織は、ルンを罠にはめ、命をつけ狙う。
どうにかニューヨークに逃亡したルンだったが、親しい者を組織に殺され、ボロボロになてしまう。そんなルンを助けたのは、マークの双子の弟のケン。
ケンとルンは、組織と決着をつけるため、香港へと渡り、ホー・キット兄弟と合流する……。
【感想・レビュー】
マークがいなくなって寂しいなと思っていたら、ニューヨークの中華料理店にいましたよ……双子の弟ケンが。ちょいと無理筋だけど。性格も瓜二つで、ハートが熱くて無鉄砲。
ホーは、相変わらず親戚の叔父さんふうで優しいお人柄。でも、やるときゃやるぜ!ってトコが痺れます。
キットは、またまた足手まとい。世話が焼ける弟くんです。
新顔は、元香港マフィアのボス・ルン。一時廃人同様になってしまいますが、ケンの献身的なサポートで見事復活。
前半は、くさい設定と演出で少しかったるさを感じますが、後半から俄然ヒートアップ。男たちの怒りが沸点に達し、怒濤のクライマックスへと突入します。
マークとホーとルンが黒いスーツをビシッとキメて敵のアジトに乗り込むシーンなんて、絵として最高。惚れ惚れします。
そして、血と銃弾が飛び交う壮絶な銃撃戦。たぶん使った火薬の量は前作以上?とにかくハデです。
階段を仰向けに滑り降りながら火を吹くケンの二丁拳銃、日本刀を手にしたホーの鮮やかな剣さばき、黒澤映画を思わせるケンと用心棒との息詰まるガンファイト……なんてサービス精神旺盛な演出でしょう。
何もかも終わったラストシーンがまた、グッときます。やるべきことをやった男たちの吹っ切れた表情が万感の想いを物語っています。これぞ香港ノワールの精髄ですね。
これは男のための男の映画。でも、男の黒スーツ姿にキュンキュンくるという女性にもオススメ?