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🔵映画「僕のワンダフル・ライフ」/(2017アメリカ)感想*目に優しく耳に優しく心に優しい、癒しの映画*レビュー4.3点

僕のワンダフル・ライフ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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【目に優しく耳に優しく心に優しい、癒しの映画】

ラッセ・ハルストレム監督の作品では、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」と「ギルバート・クレイプ」がマイベストですが、この作品もいいですね。秀作です。

全編、癒しに満ちたハートフルストーリー。あんまり優しい話なので、ジワーッと泣けてきて……しかも、ハッピィエンド。

やっぱり映画はこうでなくちゃ。ラストは心が和んで、拍手を贈りたくなる映画です。

【あらすじ】

8歳の少年・イーサンに命を救われたゴールデン・レトリバーの子犬。ベイリーと名付けられたその子犬は、イーサンから一生を離れないと誓って、彼の成長を見守る。

イーサンと彼の恋人ハンナに囲まれ、至福の時を過ごすベイリーだったが、ある事件が原因で二人は別れてしまう。その後、ベイリーは次第に衰弱し、ついに息絶えてしまう。

やがて、ベイリーは、警察犬のバディへと生まれ変わり、続いて、ペット犬のティナからエリーへと生まれ変わる。しかし、ベイリーは、50年経ってもイーサンのことが忘れられない。

そんなある日、迷い犬となったエリー(ベイリー)は、懐かしいハンナの匂いを嗅ぎ付け、その跡を辿る……。

【感想・レビュー】

50年の間に3度生まれ変わって元の飼い主(イーサン)との再会を果たす犬(ベイリー)を描いたファンタジー系のハートフルストーリー。

ベイリーから見た、人間の愛情とか、成長、挫折、再生の軌跡が柔らかいタッチで描かれ、心がほっこり和みます。

主人公はやっぱりベイリーと、バディ、ティノ、エリーの4匹の犬ですね。犬種は違えど、どの犬も賢そう。そして、それぞれがたまらなくキュートです。

犬の表情と音声(犬の台詞)とのマッチングもバッチリ(語りはベイリー)。この擬人化手法で、彼らの気持ちがありありと伝わってきます。そして、観る方も段々彼らと一体化し、最後は完全に犬になった気分になります。……明日から犬を見る目が変わりそうです。

バディとティノのエピソードは、エリーまでの繋ぎなので、少々かったるい気もしますが、エリーにバトンが移ってからは話がグッと盛り上がります。

ストーリー的には、何となく先が見える展開ではあるのですが、昔別れた恋人たち(イーサンとハンナ)の仲をエリー(ベイリー)が取り持つシーンは秀逸です。時を経ても変わらぬ二人の想いが素敵だし、エリーのいじらしい演技?も感動的です。

更に、この映画、サントラのセンスが抜群です。特に、若い恋人たちの戯れの一瞬をさり気なく彩る「四月になれば彼女は/サイモン&ガーファンクル」には参りました。

この曲にどこか若さゆえの儚さを感じて胸がチクリと痛むのは、失われた日々へのノスタルジーのせいでしょうか、それとも映画「卒業」のワンシーンを想起してしまうせいでしょうか。ただただ懐かしく、オールドファンにはたまらない選曲です(エンディングに流れているのは最近の曲のようですが、これも名曲ですね)。

アメリカの広大な野原の風景が目に優しく、オールドファッションド・ラブソングが耳に優しく、人と人、人と犬との愛情が心に優しい、癒しの映画。気持ちが荒んでいるときにオススメの一作です。