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🔵映画「ブルックリン」感想*若い女性の究極の選択*(2015アイルランド,イギリス,カナダ)レビュー3.8点

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【若い女性の究極の選択】

美しい映像と魅力的な女優、この二つが揃えば恋愛映画は成立する、という見本のような映画です。これは女優シアーシャ・ローナンによる女性のための映画。男性の理解は得られなくても、女性の共感は得られる映画かなと思います。

【映画「ブルックリン」~あらすじ~】

1952年、姉の計らいでアイルランドからニューヨーク・ブルックリンへと渡ったエイリシュは、慣れない生活とホームシックで涙に暮れる日々を過ごす。そんな彼女を救ったのは、大学での学びと誠実なトニーとの出会い。徐々に笑顔と自信を取り戻したエイリッシュだったが、ある日、故郷から思いもよらぬ知らせが届く……。

アイルランドの片田舎からアメリカの大都会へと移住した内気な少女の心の成長を描いた物語。

【映画「ブルックリン」~感想・レビュー~】

しばらく、いつの時代の話か分からなかったのですが、エイリシュとトニーの映画デートが『雨に唄えば』。これを見てようやく1950年代初頭の話と分かりました。なるほど、街並みやファッションがレトロ感いっぱいで、とてもキュートです(船での渡航シーンも『タイタニック』ふうでロマンを感じます)。

……キュートといえば、トニーが知り合って間もないエイリシュを(恐る恐る)映画に誘うシーン。

「講義のない日に映画に行こう」、「2回行くわ」、「本当に?」、「ええ。失敗してももう一度チャンスをあげる」

……いい感じですね。おしゃれでみずみずしくて。エイリッシュのトニーへの想いが滲み出た素敵な台詞だと思います。

しかし、故郷からのある知らせで、物語は暗転します。ここからのエイリシュの行動が賛否の分かれるところだろうと思います。たぶん男性は否定派、女性は擁護派が多いのかなと推測します。ちなみに私は擁護派です(いつ何時も女性の味方!?)。若い女性なら迷って当然の難しい選択で、彼女の迷いを非難するのは酷な気がします(恋心なんて所詮我儘なもの、誰も聖人君子ではいられません)。迷いが大きかった分、エイリシュの万感の想いが籠ったラストシーンがとても清々しい印象を残します。

……それにしても、エイリシュを演じたシアーシャ・ローナンは魅力的ですね。特に、意志の光を放つ灰色の瞳が印象的で、凛とした美しさを湛えた女優だと思います。