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🔵映画「Yesterday イエスタデイ」感想*中身については評価が分かれそうだが、風景美は鉄板*(2014ノルウェー)レビュー4.0点

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【ノルウェーの自然美が素晴らしい】

北欧の映画は、風景を眺めているだけで癒される。この映画、中身については評価が分かれそうだが、風景美は鉄板(夏の柔らかな陽光に照らされた森と湖の風景の美しいこと!)。おまけにヒロインも愛らしくて魅力的。それだけで元は取れる映画だと思う。

【あらすじ】

舞台は1960年代半ばのオスロ。ビートルズのポール・マッカートニーに心酔する高校生のキムは、悪友3人とバンドを組んで、いつか有名になることを夢見ている。

ある日、キムは映画館で見知らぬ少女ニーナと出会い、初めてのキスを交わすが、住所も聞かないまま二人は別れてしまう。

ニーナを忘れられないキムは、想いを募らせ、出す宛てのない手紙をひたすら書き続ける。

やがて新学期、キムの前にセシリアという美しい転校生が現れる。キムがセシリアのピンチを救ったことで、二人は次第に距離を縮めていくが……。

【感想・レビュー】

ビートルズに憧れる4人の少年たちのひと夏の体験を描く青春グラフティ。描かれているのは、友情、初恋、そして青春の蹉跌。

テーマが、定番と言えば定番、普遍的と言えば普遍的なので、評価は分かれるかもしれないが、リアルタイムでビートルズを聴いた世代にとっては、ノスタルジーを感じる映画。『サージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のLPをドキドキしながら手にするキムの気持ちは痛いほどよく分かる。

そして、ビートルズの音楽だけでなく、なにやら楽しいイベントのようにも見える反米=ベトナム戦争反対のデモや流行りの音楽、ファッションなどの映像も、カラフルでポップでサイケデリックな60年代の空気感を見事に再現していて、懐かしさが募る(当時は、毎日がお祭り騒ぎのようで、昨日より今日、今日より明日が確実に良くなっていく、というポジティブな共同幻想が世界全体を支配していた時代だったように思う)。

この映画の原作は、ノルウェーを代表する作家ラーシュ・ソービエ・クリステンセンのベストセラー小説『Beatles』。いかにも1953年生まれ(63歳)の作家ならではの感性だと思う。

……こういった青春モノの成否は、ヒロインの魅力に左右される部分が大きいように思うが、セシリア役のスサンネ・ブーシェは、合格。外でツンツン、内でデレデレのツンデレ美女(用語の使い方は合ってるだろうか?)で、いかにも日本人男性好みだと思うが……。