お気楽CINEMA&BOOK天国♪

お気楽CINEMA&BOOK天国♪

金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

🔵映画「こねこ」感想*人と猫のかけがえのない絆を描いた心温まる一作*(1997ロシア)レビュー4.3点

こねこ [DVD]

こねこ [DVD]

【こねこがキュート!犬派もたぶんOK?】

最近出た?Blu-rayで視聴。こねこがたまらなくキュートで癒やされる。人と猫のかけがえのない絆を描いた心温まる一作。

【あらすじ】

モスクワの音楽家一家に引き取られた生後3ヶ月のこねこチグラーシャ(トラ猫)は、イタズラが絶えず、お父さんに叱られてばかりだが、子どもたちから可愛がられ、満ち足りた日々を過ごしている。

しかしある日、チグラーシャは、窓から落ちてトラックの幌の上へ。

見知らぬ街へ連れて行かれ、迷子になってしまったチグラーシャはドーベルマンに襲われそうになるが、間一髪のところで一匹の猫に助けられる。その猫は、猫好きの貧乏な中年男フェージンの飼い猫だった。

チグラーシャは、しぱらくフェージンの厄介になるが、彼も、怪しげな地上げ屋からアパートの立ち退きを迫られていて、長居はできそうにない。

はたしてチグラーシャは無事に音楽家一家の元に戻れるのだろうか……。

【感想・レビュー】

この映画、音楽の使い方とカメラワークが抜群にうまい。ねこの驚きや喜び、恐怖心などを様々な音楽を使って活き活きと表現し、猫目線のカメラワークで緊迫感や臨場感を演出して、チグラーシャの放浪の旅を一大スペクタクルとして見せてくれる。

猫たちの自然体の演技?も素晴らしい。その表情や仕草から、それぞれの猫の性格の違い(優雅とか勇敢とか好奇心旺盛とか)が一目瞭然に分かって面白く、そんな猫たちが力を合わせて食料を調達するシーンなど、本当によく撮れているなあと感心する(監督の猫目線へのこだわりと猫愛が伝わって来て、ほっこりさせられる)。中でも主役のチグラーシャの可愛らしさは別格。猫好きでなくてもメロメロだ。

前半やや退屈なところはあるが、後半、冴えない中年男フェージンが登場する辺りから物語は一気に加速する。

生活に困窮しながらも猫たちに惜しみない愛情を注ぐ心優しきフェージンと、彼を守るために地上げ屋に敢然と立ち向かう猫たちとの絆の強さ、美しさに、ジーンとさせられる。また、フェージンと猫たちのささやかな幸福を予感させるラストシーンも、染み染みとした味わいがあって、印象深い。こんな慎ましいハッピーエンドもなかなかいいもんだ。

観ている間中、心癒され、観終わった後は心地好い余韻に浸れる佳作。何かと親切なモスクワっ子にもシンパシーを感じてしまいます。