🔵映画「がんばれ!ベアーズ」感想*等身大の悪童たちの奮闘振りも爽快な心温まスポーツ映画*(1976アメリカ)レビュー3.8点
【懐かしい!】
今から40年前の脱力系スポーツ映画。テータム・オニール(「ペーパームーン」)も懐かしいが、50年以上前にTV放映されていた『コンバット!』のヴィック・モロー(サンダース軍曹役)が出演しているのにビックリ!(力道山、月光仮面の次のヒーローは、サンダース軍曹だった)
それだけでもう、感無量。
【あらすじ】
元マイナーリーグのピッチャーで、今はプール清掃員の呑べえの男が、弱小少年野球チーム“ベアーズ”の監督を引き受ける。
しかし、悪ガキ集団のベアーズは他チームから徹底的に嫌われ、試合も連戦連敗。
そこで、監督は元教え子の天才野球少女をチームにスカウトする。
彼女の加入でベアーズは勢いに乗るが、勝ちにこだわる監督と野球を楽しみたいベアーズのメンバーとの溝は徐々に深まっていく……。
【感想・レビュー】
学生時代、見逃した映画(当時そこそこ話題にはなったのだが、「ロッキー」「バリー・リンドン」「タクシー・ドライバー」などの話題作が目白押しだったので)。
今観ると、レトロ感は否めないし、天才野球少女(テータム・オニール)の投球フォームも、どう見ても素人っぽくてヘンなのだが、多少作りは粗いとしても、駄作という訳ではない。
いかにも70年代らしい大らかさがあって、悪童たちのワルぶりが微笑ましいし、だらしない監督(ウォルター・マッソー)のテキトー振りも、クスッと笑えるほのぼの感がある。また、天才野球少女が監督に示す思い遣りも、ちょっとしんみりさせられる。
しかし、この映画の一番の見どころは、監督が悪童たちに感化されて、少しずつ真っ当になっていくところだろう。
大人が子供たちに学ぶことは意外と多い(子育て経験のある人なら理解できると思う)。この映画は、そのことをわれわれに教えてくれている。ベアーズの監督が、悪童たちから“野球を楽しむこと”の大切さを教えられ、勝負を度外視した采配を振るうようになるシーンは、なかなか感動的だ。
等身大の悪童たちの奮闘振りも爽快な心温まスポーツ映画。ほっこり感を味わいたい向きにはオススメかも。