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🔵映画「娼婦ベロニカ」感想*若い女性に観てほしい映画だが、もちろんオジサンでもOK*(1998アメリカ)レビュー4.2点

娼婦ベロニカ [DVD]

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【女性の真の強さと美しさ】

舞台は16世紀のベネチア。女が男の所有物であった時代に、自分の生き方を貫いた一人の女性の数奇な半生を描いた実話に基づく物語(モデルとなったベロニカ・フランコはベネチアの詩人。娼婦)。

16世紀と言えば、日本は戦国時代。当時の日本も、政略結婚が当たり前だったことを考えると、西欧も日本も(女性の地位という点では)たいした違いはなかったようだ。今の時代と比べると隔世の感があるが、歴史を長い目で見ると、やはり人間は少しずつ進歩しているのだなあと実感する。

 【あらすじ】

身分の違いから青年貴族マルコとの結婚が叶わなかったベロニカは、母親の教えに従って、高級娼婦となる道を選ぶ。上流階級の男たちの相手を務めるべく、知性と教養を磨いたベロニカは、魅惑的な女性へと変貌し、男たちの寵愛を受ける。一方、ベロニカを諦めきれないマルコは、妻を娶ってもなお、彼女への想いを募らせる。やがて、ベロニカも彼の愛に応えようとするのだが、ちょうどその頃、ベネチアは戦争に巻き込まれ、フランスに援助を求める。フランス王アンリ3世から指名を受けたベロニカは、国の運命を背負って王の前に歩み出るが……。

【感想・レビュー】

タイトルは、そのまんまという感じだが、これはいい映画。恋愛映画の秀作だと思う。女性にとって、愛のない結婚か、修道院に入るか、娼婦になるかの3択しかなかった封建時代に、自由を求め、恋に生きた女性の気高い姿は、今を生きる若い女性たちにも力を与えてくれるのではないかと思う。クライマックスの魔女裁判でのベロニカの命懸けの覚悟は、宗教裁判の愚劣さが明らかになればなるほど一層の輝きを放ち、神々しささえ感じられるほど。覚悟を決めた女性の姿は、いつの世にあっても、凛々しく美しいものだとつくづく思う。

ベロニカを演じたキャサリーン・マッコーマックの美貌と体当たりの演技は見もの。ベロニカのお母さんもえらくキレイだなあと思ったら、なんと70年代のミューズ、ジャクリーン・ビセット!(懐かしい)。マルコの妻役は、大好きなナオミ・ワッツと、今観ると、結構贅沢な女優陣だ。

是非、若い女性に観てほしい映画だが、もちろんオジサンでもOK(たぶん)。