お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

🔵映画「天国からの奇跡」*日常の奇跡に気づかされ、大切な人に感謝を伝えたくなる作品*(2016アメリカ)レビュー4.2点

天国からの奇跡 [Blu-ray]

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普段そうとは気づかないが、この世界は驚きと発見に満ちている。だから、(神も仏も信じないが)奇跡は信じている。この作品は、難病の少女に起こった奇跡を描いた実話に基づく物語。

【あらすじ】

テキサスの田舎町で暮らす少女アナは、突然原因不明の消化器官の難病に襲われる。母クリスティは信頼できる医師を探し回って、ようやくボントンの大病院での診察と入院が叶うが、アナの病状は好転しない。一時退院したアナは、自宅で失意の日々を過ごす。そんなアナを見かねた姉は彼女を木登りに誘うが、その際中、アナは大木の幹の空洞に落下してしまう。やがて、病院で目覚めたアナは、自分の身に、ある奇跡が起こったことを知る……。

【感想・レビュー】

少し宗教色はあるが、人の優しさが心に沁みる、いかにもアメリカらしい善意に溢れた映画。ボストンの病院の医師と受付嬢、レストランのウェイトレス、空港の職員……皆、他人の窮状を黙って見過ごせない人ばかり。彼らのさり気ない優しさについホロリとさせられ、アメリカ人の懐の深さに素直に感動する(この辺りのエピソードはフィクションなのかもしれないが……)。特に印象的なのが、母娘をみかねてボストンの街を案内するウェイトレスのアンジェラ。その役を演じるのは、大好きな女優のクイーン・ラティファ。今回はチョイ役での出演だが、やっぱり彼女はいい。「ラスト・ホリデイ」や「リリィ、はちみつ色の秘密」で見せた彼女の存在感はここでも健在で、見た目の迫力と奥深い知性とのギャップが堪らなく魅力的。もう少し彼女の出番を作ってほしかった……。

ラストのクリスティの教会でのスピーチにも泣かされる。

『アインシュタインいわく、人生は2通り。奇跡はないと思って生きるか、すべてが奇跡だと思って生きるか。……私は多くを見逃した。奇跡はあふれていた。……奇跡とは優しさです。時に奇跡を起こしてくれるのは、たまたま出会った人たち。そしていつも助けてくれる友人たち。奇跡とは愛です……』。

平凡な日常がいかに奇跡に満ちたものであるかに気付かされ、大切な誰かに感謝の言葉を伝えたい気持ちにさせられる映画。