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🔵映画「フェノミナン」感想*期待外れではないが期待以上でもない、“まあまあ”の映画?*(1996アメリカ)レビュー3.7点

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【悪くはないが……】

突然謎の閃光に撃たれて、驚異的な能力を得た男のその後を描いたファンタジー。期待外れではないが期待以上でもない、“まあまあ”の映画?

【あらすじ】

田舎町で平凡に暮らす自動車整備工のジョージは、37歳の誕生パーティーの夜、不思議な閃光に撃たれる。

その後、ジョージは、手を触れずに物を動かしたり、短時間で外国語をマスターしたり、地震を予知したりと、驚異的な能力を発揮し始める。

ジョージはその力を人のために役立てたいと考え、周囲の仲間たちに様々な働きかけをするが、仲間たちの大半は、彼を恐れ、遠ざける。

ジョージが想いを寄せるレイスもその一人だったが、彼の優しい人柄に触れるうち、次第に彼に惹かれていく……。

【感想・レビュー】

少し切ないが、不思議と後味のいい映画。

主人公ジョージは、驚異的な能力を得た後も、平凡だった頃と同じように親切で心優しく、自分が得た知識を人のために役立てようと奮闘する(少し似た設定の『アルジャーノンに花束を』では、主人公チャーリイは、驚異的な能力を得た後周囲を見下すようになる)。彼のそんなキャラクターがこの映画の後味の良さに繋がっているような気がする。

しかし、そんな心優しいジョージでさえ、周囲から好奇の眼で見られ、恐れられ、ついには疎外されてしまう。彼の本質は何も変わっていないのに。

人は往々にして、自分と異なるものを恐れ、排除しようとする。だぶんその心理が差別意識の正体なのだろう。それでも、自分と異なるものを理解しようとする人はいる。この映画でいえば、ジョージの恋人のレイスであり、親友のネイトであり、医師のブランデー先生だ。彼らは、ジョージの能力に戸惑いながらも、彼を避けようとはせず、彼の本質に目を向けようとする(レイスの子どもたちはごく自然に彼を受け容れる。子どもの目は本質を見抜くということか)。それがこの映画のメッセージだろうと思う。

それはそれとして……作品全体の印象としては、SF、恋愛、ファンタジー等の様々なテイストが盛り込まれ、退屈はしないものの、展開に意外性が乏しく、人の描き方も中途半端で、やや物足りなさは残る。

必見というほどではないが、観て損はない映画、といったところか。