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🔵映画「34丁目の奇跡」*子供にも大人にもオススメの作品*(1994アメリカ)レビュー4.3点

34丁目の奇跡 [Blu-ray]

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1947年の「三十四丁目の奇蹟」のリメイク版。夢があって愛があって、とても上質なクリスマス・ムービー。ストーリーに意外性と説得力があって、大人でも十分愉しめる(……ちょっとナメてたかも)。これは愛すべき映画。次はオリジナル版も観てみたい。

【あらすじ】

落ち目のデパート、コールズのクリスマス商戦のイベントで、突然サンタ役に穴が空いたことから、イベント担当のキャリアウーマン、ドリーは、たまたま出会った謎の老人クリスを代役としてスカウトする。自分を本物のサンタと言うクリスは一躍人気者になるが、ドリーと愛娘のスーザンはサンタの存在を信じない。そんなある日、クリスの人気ぶりに業を煮やしたコールズのライバル店の陰謀によって、クリスは逮捕されてしまう。そして、クリスが只の気の触れた老人なのか、それとも本物のサンタなのかを争う裁判が始まるのだが……。

【感想・レビュー】

一見ファンタジー風の映画だが、トナカイが空を飛んだり、サンタが魔法を使ったりするシーンはない。サンタが裁判の被告人になるという前代未聞のピンチのシーンでも、一発逆転の行動はない。「サンタじゃなくて只のホラ吹きじいさんかい!」とツッコミたくなるところだが、この映画のミソは、サンタをスーパーヒーローとしてではなく、ちょっと変わってはいるがごくフツーの老人として描いているところにある。肝心なのは、サンタが起こす奇跡なのではなく、人々の「夢を信じる心」なのだ。サンタは夢を信じる人の心の中にいる。そんな(夢を信じる)人たちがサンタを救うシーンは、ささやかな奇跡を見ているようで、思わずウルッときてしまう。

この映画、サンタ役のリチャード・アッテンボローがなんともいい味だ(まさにハマリ役!)。包容力のある温かい人柄が演技に滲み出ていて、「このじいちゃん、いい歳の取り方をしてるなあ」としみじみ感じ入ってしまう(彼もまたイギリス紳士。その辺の俳優とは風格が違う)。スーザン役のマラ・ウィルソンもおマセでとてもキュート。最後までサンタの存在に懐疑的なドリーに『ママは完全に間違ってます!』 と一喝するシーンなどは、胸がすく思いがする(ドリー役のエリザベス・パーキンスは本当にキレイ。確か「ビッグ」でトム・ハンクスと共演してたような……)。

夢を信じる心が奇跡を起こす……そんなメッセージが込められた、ピュアでハートフルな映画。是非、家族団欒で観てほしい作品。