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🔵映画「エール!」*フランスで大ヒットしたが、日本人の感性に合うのか…?*(2016フランス)レビュー3.6点 

エール! [Blu-ray]

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ヒューマンドラマにコメディ要素を盛り込だ、いかにもフランスらしい大らかな映画。フランス本国で大ヒットしたらしいが、日本人の感性に合うかどうかは微妙かも……。

【あらすじ】

フランスの片田舎で農業を営むバリエ一家は、とても仲の良い4人家族。ただ、高校生のポーラ以外、全員聴覚に障がいがあって、彼女が手話(通訳)で家族や家業を支えている。ある日、ポーラの歌の才能に気付いた音楽教師は、彼女にパリの音楽学校のオーディションを受けるように勧める。ポーラは期待に胸膨らませるが、両親から反対されて、夢を諦めるのだが……。

【感想・レビュー】

障がいを苦にしないバリエ一家の明るさと逞しさは魅力だが、ちょっと露骨な(下ネタ)ギャグが多いので、一家団欒で観るには不向きな映画かも。また、肝心のポーラの歌も、上手いのかそれほどでもないのか、よく分からない(ポーラ役のルアンヌ・エメラはフランスで人気急上昇中の人気歌手らしい)。それに、音楽教師の選曲のセンスも凄い(こんな大人の歌を高校生に歌わせるなんて!)。ストーリーも、良く言えばシンプルで分かりやすいが、悪く言えば大味。何となく全部が中途半端な印象を受けるが、だからといって面白くない訳でもない。そんなふうで、どう評価していいのかよく分からない映画だが、ラストのポーラの熱唱には心を動かされる。このシーンが本作のハイライトで、これには泣かされるが、わざわざBlu-rayを買うほどでもなかったかな、と若干の後悔はよぎる。

ポーラを除いて、ほとんどの登場人物に感情移入できなかったのはフランス人気質をよく分かっていないせいかもしれないが……さすが、マルキ・ド・サドやラディゲを生んだ国、愛や性にオープンだなあ、と変なところで感心した映画。