🔴本「ビジネスエリートの新論語」/司馬遼太郎(文春新書)は、仕事に悩む会社員にオススメの一冊 レビュー3.5点
王様のブランチで紹介された2016イチオシの新書。
といっても1955年刊行の「名言随筆サラリーマン」の復刻版だから、実際はかなり昔の本ということになる。隠居の身で何をいまさらなのだが、歴史小説の大家の仕事論に多少の興味もあって手にした一冊。
【内容】
内容は、著者が体で覚えたサラリーマン哲学を、偉大な先人たちの金言名句を引用しながら、悩めるサラリーマン向けに披瀝したもの。
【感想・レビュー】
司馬作品らしく読んでいて面白いし、サラリーマンの処世訓の枠を越えて人生訓として参考となる点も多々あるが、当時と今とでは、家族や社会の形態、価値観や世相、サラリーマンの働き方などが大きく様変わりしているため、今の時代感覚に照らすと、違和感を覚える部分がないではない。
新書の評価基準は(小説とは違って)役に立つか、立たないか。その意味では本書は年寄り向きとは言えず、王様のブランチほどの高い評価はできない。しかし、さすがは司馬遼太郎。齢30にしてこの博識と慧眼は凄い。
「仕事とは何か」、「サラリーマンとは何か」。そういう疑問に真摯に向き合って、答えが出せずに悩んでいる若い人にオススメ。