お気楽CINEMA&BOOK天国♪

お気楽CINEMA&BOOK天国♪

金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

🔵映画「誓いの休暇」/(1959ソ連)~非人間性や不条理性を浮き彫りにした、反戦映画の傑作~レビュー4.4点

Ballad of a Soldier [DVD] [Import]

Ballad of a Soldier [DVD] [Import]

 2017年のオープニングは「誓いの休暇」。

本作は、戦時下に生きる人間の(あまりにも人間的な)心情をきめ細やかに描いて、戦争というものの非人間性や不条理性を浮き彫りにした、反戦映画の傑作だと思う。

【あらすじ】

前線で戦功を上げた少年兵は、勲章より休暇を選び、一路母の待つ故郷を目指す。しかし、道中様々なトラブルに巻き込まれ、貴重な6日間の休暇はまたたく間に過ぎていく……。

 

【感想・レビュー】

困っている人を見ると手を差し伸べずにはいられない心優しき少年兵。少年兵が軍用列車で出会った無垢で可憐な少女。ひたすら息子の帰りを待ちわびる少年兵の母親。そして、それぞれの喜びと悲しみ。

とりわけ印象的なのはそのカメラワーク。一つ一つのシーンが陰影に富んでいて、みずみずしく、抒情的。モノクロでしか出せない味があって、CG慣れした目にはかえって新鮮に映る。

哀切だけれども、メッセージが静かに深く心に沁み入る映画。年頭に、ただ騒々しいだけのTVから離れて、こんな名作に触れてみるのも悪くないと思う。