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🔵映画「シング・ストリート」*笑えるし、泣ける、青春(音楽)映画*(2016アイルランド)レビュー4.4点

シング・ストリート 未来へのうた スタンダード・エディション [Blu-ray]

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「ONCE ダブリンの街角で」、「はじまりのうた」のジョン・カーニー監督作品。「ONCR ……」の方は正直なところピンとこなかったが、「はじまりのうた」は、本当に素敵な作品だった。

本作「シング・ストリート」は、1985年当時の大不況下のダブリンを舞台にした青春(音楽)映画。

【あらすじ】

父親の失業のあおりで、荒れた学校に転校させられた14歳の少年コナーは、校長の叱責や父母の諍いで毎日が憂鬱。そんなある日、コナーは偶然、年上の美しい女性ラフィーナに出会い、たちまち恋に落ちる。ラフィーナの気を引きたいコナーは、バンド活動中と嘘をつき、そのPVへの出演まで頼み込んでしまう。それからコナーの慌ただしい日々が始まる。バンドのメンバー集め、曲作り、演奏の特訓……そして、彼らのバンド「シング・ストリート」は着実に力を付け、コナーとラフィーナの仲も次第に深まっていくのだが……。

【感想・レビュー】

無理解な親への諦念、理不尽な教師への反撥、バンド仲間との友情、異国(ここではないどこか)への憧れ、そして年上の女性への切ない想い……この映画には思春期の男の子のすべてが詰まっている。純な若者のひたむきさや無鉄砲さがときにユーモラスに、ときにほろ苦く描かれて、笑えるし、泣ける。そして、彼らの宝物のような日々を鮮やかに彩る音楽の素晴らしさ。80年代のUKロックのサウンドが映像にジャストフィットして、観る者の気分を高揚させる。ジョン・カーニー監督の音楽センスに改めて脱帽。

音楽の使い方、舞台設定、ラストの高揚感などが何となく「小さな恋のメロディ/1971イギリス」を彷彿とさせる、上質な映画。

www.eiga-hon.com

【ラフィーナの名言】

……それにしても、ラフィーナは綺麗。コケティッシュでとても魅力的だ。彼女がコナーをふった後のセリフがキマってる……「『悲しみの喜び』を知って。それが愛よ。悲しみと喜びは一緒なの」。これにも、脱帽。