お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

🔵映画「ロシュフォールの恋人たち」*愉快で小気味好いフレンチ・ミュージカル*(1967フランス)レビュー4.1点

ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

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ふらんすに行きたしと思えど/ふらんすはあまりにも遠し/せめては新しき背広をきて/きままなる旅にいでてみん……。

詩人萩原朔太郎が憧れた「ふらんす」は、若い頃の自分の憧れでもあった。フランスをふらんすと表した朔太郎の感慨は何となく分かる気がする……。

【感想・レビュー】

本作は、そんな古き良き時代のフランスの名残りが漂う傑作ミュージカル。前作「シェルブールの雨傘」(監督・主演・音楽が同じメンバー)とは打って変わって、いかにもフランスらしい、カラフルで軽妙でオシャレなミュージカルで、全編、生き生きとした躍動感に溢れている。カトリーヌ・ドヌーヴの美、ジーン・ケリーとジョージ・チャキリスの踊り、ミシェル・ルグランの音楽の、どれをとっても一級品で、そちらにばかり目を奪われて、ストーリーさえ気にならないほど。……もちろん、ストーリーもヒネリが利いていて、なかなか面白いのだが。

それにしても、外国のミュージカルは昔から鍛え方が違うな、と痛感する。(門外漢なのでよく分からないのだが)バレエが基本になっているからか、体の軸がしっかりしている上、手足が長いから、踊りの線が本当に美しい。どんなにレトロな振付でも、見応えのある踊りにしてしまうところが凄い、と変なところで感心してしまう。

少し古さは感じるが、愉快で小気味好いフレンチ・ミュージカル。