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🔵映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」感想*ラブストーリーとサスペンスのバランス抜群*(1985アメリカ)レビュー4.2点

刑事ジョン・ブック 目撃者 [Blu-ray]

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確か20数年前にTVで観た映画。何となく好印象が残っていたので、Blu-rayを購入。少し硬い映画が続いていたので、息抜きのつもりで観ていたら、これがどうしてなかなかの出来。再鑑賞に十分耐えられる映画。

【あらすじ】

フィラデルフィア駅で殺人事件を目撃したアーミッシュの少年とその母親。捜査を担当するジョン・ブック警部は、少年の情報から犯人が麻薬課の警官であることを突き止め、警察副部長にそれを伝えるが、その晩、急襲され大ケガを追う。事件に副部長も絡んでいることに気付いた警部は、母子をアーミッシュの村まで護送するが、気を失ってしまう。少年の母親レイチェルの献身的な看護で回復した警部は、村人によそ者扱いされながらも次第に村に溶け込み、いつしかレイチェルと愛し合うようになる。そんなとき、彼らの居場所を突き止めた副部長たちがレイチェルの家に乗り込んでくる……。

【感想・レビュー】

とてもバランスのいい映画。ラブストーリーとしても成立しているし、サスペンスドラマとしても成立している。アーミッシュの村の牧歌的な暮らしと都会の喧騒の静と動のバランスやストーリーの緩と急のバランスもいい。異文化(アーミッシュ)へのさりげない配慮にも監督の絶妙なバランス感覚が窺える。こういう才能をセンスと呼ぶのだろう。

そして、レイチェル役のケリー・マクギリス(「トップガン」の美人教官)がいい。いつも慎ましく物静かで愁いすら漂わせながら、心の裡には火のような情熱を秘めている、そんな役柄の女をこの女優は見事に演じている。レイチェルが胸に迫る想いをこらえてジョンを見つめるダンスのシーンと水浴のシーンは本作の白眉。その息を呑む美しさは、こんな眼で見つめられたらどんな男だってイチコロだろうという説得力がある。

村を立ち去る男とレイチェルの家に向かう男が交錯するエンディングも、これからのそれぞれの未来を予感させて、感慨深い。

本作は、監督のセンスを称え、ケリー・マクギリスの目力に酔う映画。女性にもオススメ。