🔵映画「きっと、星のせいじゃない。」は、限られた日々の中にある"永遠の愛"を教えてくれる作品(2014アメリカ)レビュー4.1点
若いガン患者同士の恋を、そっと見守るような視線で描いた珠玉の恋愛映画。
【感想・レビュー】
いわゆる「泣ける映画」だが、限られた日々を全うしようとする恋人たちの姿をユーモアを交えてポジティブに描いているので、哀しいけれど湿っぽくなく、後味はとても爽やか。
脚本の出来が素晴らしく、「虹を見たければ、雨は我慢しなさい」「100万人の愛より1人の愛を求めて、手に入れた。広くはないけれど深く愛された。」などグッとくる名言も多い。とりわけ印象的なのは「0と1の間には無限の小数点以下の数字があって、0と2の間にはさらに大きな無限があって……私は感謝してる。小さな無限に。……あなたは永遠をくれた。限られた日々に。」というヒロインの言葉。一瞬の中に無限の時間があるのなら、限られた日々の中にも永遠の愛はある、ということか。そうであれば、この言葉にこの作品のメッセージが全て込められているような気がする。
全編に流れる気鋭のアーティストたちの音楽も心地好く、エンディングのエド・シーランの歌に泣かされる。短いシーンだが、アムステルダムの街角で音楽好きのオジサンたちが奏でるヴィヴァルディの旋律も、恋人たちの感傷と古都の情緒を美しく彩って印象的。