🔵映画「美しき冒険旅行」は、大自然の美とジェニー・アガターの美を観賞するための映画（1971イギリス,オーストラリア）レビュー3.6点

高校生の時に観たジェニー・アガター主演の「若草の祈り」。どんな話だったのかほとんど覚えていないが、いかにも良家の子女風の彼女のシックな装いと清楚な面立ちは今でも鮮やかに記憶に残っている。

当時の田舎の高校生にとって、異国の女性、特に同世代の女子は遥かに遠い存在で、間近で見る機会などなかったから（世界は今よりずっと広かった！）、それはかなり衝撃的な出会いだった。本作は「若草の祈り」の１年後に公開された作品。

【あらすじ】

父親の自殺の巻き添えを食ってオーストラリアの広大な砂漠に取り残された都会育ちの姉弟が、偶然出会ったアボリジニの青年に導かれて大自然の美に目覚めていく姿を描いたアドベンチャー映画。

【感想・レビュー】

本作の主題は「文明による自然破壊への警鐘」と思われるが、編集が稚拙なのか、そのメッセージは曖昧なままで、作品自体の出来は可もなし不可もなしのレベル。しかし、オーストラリアの雄大な大自然を捉えた映像が素晴らしく、詩情を湛えた美を堪能できる。また、ジェニー・アガターの清楚な美も決して大自然の存在感に負けていない。40数年ぶりの再会だが、昔のままの姿で（当たり前か！）ただただ嬉しく、懐かしい。本作は大自然の美とジェニー・アガターの美を観賞するための映画。それだけで十分だ。